アップル、グーグル、マイクロソフト クラウド、携帯端末戦争のゆくえ
アップル、グーグル、マイクロソフト クラウド、携帯端末戦争のゆくえ (光文社新書)
- 作者: 岡嶋裕史
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2010/03/18
- メディア: 新書
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評価に迷う一冊。
基本的に、毎日IT系ニュースを追っかけている人にとっては、この本になにかしらの新しい情報や発見は無いと思う。むしろIT業界系以外の人に対して「クラウドコンピューティングやIT業界のトレンドを分かりやすく説明する」といった内容。もちろん、新しい情報や発見が無いといっても、一冊のパッケージとして情報がまとまっている事そのものに価値が有るし、買って損は無いと思うが・・・・一つだけ不満があるとすれば、
アップルを持ち上げ過ぎじゃないか?
というところか。タイトルもそうだけど、この章立て
amazonどこー?クラウド戦争の主要プレーヤーのはずなのに・・・・。
一応、
本書では、IaaSであるという理由でアマゾンには言及していないが、(略)代わりにアップルに言及している。このことについて「何を馬鹿な」と感じる方も少なく無いだろう。
と意図的にこういう構成にしていると明言しているが、IT業界の人が読者ならともかく、業界外の人がこの不自然さを分かってくれるかなあ。IT業界の外の人向けに書かれてる本なのに著者の見方が偏りすぎているようで不安。
というか、アマゾンがIaaSって言われたらKindle(本書でも言及されている)はどうなる?
個人的には、アップルはPaaS(どーでもいいけどいつ見ても意味不明な略語だよなあ、IaaSもだけど)とか本気でやる気はあるのか疑問に思ってる。「プラットフォーム」を提供するのであれば、プラットフォームを利用する開発者に対して無理な押し付けやごり押しはすべきではないと思うが、現在のアップルは正直Jobs無双、「オレの言うとおり従っていれば幸せに成れるんだからグダグダ言わず従え!」状態。(例として↓参照)
iPhone OSのFlash外し、アドビCTO「アップル次第だ」vsジョブズ氏「進化の妨げになる」 − Publickey
News Release 20100306 クウジット|Koozyt|PlaceEngine|Wi-Fi|wireless LAN
いやJobs無双がダメとは思わない。Jobsの現実歪曲フィールドがなければ、MacOSXもiPodもiPhoneも日の目を見なかっただろうし、合法的な音楽配信とゆるいDRMがこれほど一般化することも無かっただろう。特に、音楽業界を相手にした交渉はJobsの豪腕あってこそ。また、こういう強烈なビジョンのある人がある種の「押し付け」をしないことには統一感のあるユーザー体験を提供するのは無理だろうとは思う。
でもなあ・・・プラットフォーム提供者向きな資質とは思えないなあ。
まとめると、”「アップル製品」のファンですが、アップルのプラットフォーム向けにアプリケーションとか作ると余計な苦労しそうなんでヤダ”と。
(後半以降、本の感想とかどうでもよくなってるな。まあいいや)