闇の王国

闇の王国 (ハヤカワ文庫NV)

闇の王国 (ハヤカワ文庫NV)

内容紹介

私の名はアーサー・ブラック。これまでに二十七冊の〈ミッドナイト〉シリーズをはじめ、三十年以上にわたって多くの作品を書いてきた。金を稼ぐために。そしていま、八十二歳になったいま、私がまだ本名のアレックス・ホワイトを名乗っていた十八歳の頃の経験を記そう。これは実際にあった話だ。信じがたい、とてつもない恐怖の数々が記されているが、何から何までが事実なのだ……伝説の巨匠が満を持して放つ、最新長篇

うーん。正直なところ、ストーリー的には「セクシー熟女な未亡人魔女」と「ロリっ子セクシー妖精」との間で綱引きされる優柔不断なモテモテ主人公という感じで、一昔前の少年誌にありがちな恋愛コメディ漫画かベタなギャルゲレベル。いやほんと、マシスンはこの年になってギャルゲか何かに影響を受けたのかと思ってしまうぐらいベタです。
とは言え、いくつか興味深い点もあって、例えば主人公の選択基準が「主人公が二人のどちらを好きなのか」ではなく「二人のどちらがより邪悪なのか」なんですね。結局、一人がどうしようもなく邪悪であると判明してバッサリ切られるわけですが。

まあ、マシスン自身の半自伝小説として読むとか、いろいろと読み方はあると思いますが、そこまでコンテキストを深読みする必要も無いかなあ・・・・と。全体的には微妙な評価。