『アポカリプスホテル』第11話 感想

blueskyの方で書いてたけど、冷静に考えるとこれブログに書く長さじゃねーかということで転載。
一応ネタバレあり。





アポカリプスホテル 第11話 www.nicovideo.jp/watch/so4509... ド直球ストレートな「ポストアポカリプスの情景」回だったけど、しかしこれ約20分間ほぼ台詞無しで「語り」続けるという脚本は凄いよな。自分には全く縁の無い業界なので完全に想像では有るけれど、監督にせよ脚本家にせよ、作成チームに対してよほどの信頼が無いとこういう語り方を選ぶというのは無理なんじゃないかな。

(@ka-ka-xyz.bsky.social) 2025-06-21T04:25:09.941Z
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ド直球ストレートな「ポストアポカリプスの情景」回だったけど、しかしこれ約20分間ほぼ台詞無しで「語り」続けるという脚本は凄いよな。自分には全く縁の無い業界なので完全に想像では有るけれど、監督にせよ脚本家にせよ、作成チームに対してよほどの信頼が無いとこういう語り方を選ぶというのは無理なんじゃないかな。

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で、第11話の内容について。言葉で語られていないものを無理矢理語るなら、「"機能停止"と"死"の狭間」的な話と受け止めた。

システムチェックメッセージとしてドライに「機械としての機能停止」が突きつけられる一方で、ヤチヨさんがそれを"死"として受け止めているのかは語られない。しかし言葉としては出てこないけど「死」は執拗に描かれていて。例えば涅槃像は「だったら何故涅槃像っぽくしたんですか」というネタで使われたように、「死」の象徴でもある。墓場キャンプもそうだし、居なくなったヒトの遺骸こそ映されないものの、死を目前にした必死さや悲痛さがプラカードや落書きのメッセージとして丹念に描かれる。

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その「死」(と、ヒト以外の動物たちの「生」)が満ち溢れる中で、ヤチヨさんは交換パーツを探し続ける。どことなく自暴自棄というか現実逃避気味な行動もしつつ、一方でパーツが見つかりそうな箇所は執拗にサーチし、「ハズレ」を引いたときには(内心こそ描かれないものの)投げ捨てたりと、普段あまり見せない行動を取る(あれ?そんなお行儀の良いキャラだったけ?ほんとうに?)。
このあたり、言葉としては描かれないものの、これから来るものを「機械としての機能停止」として受け止めるか、「自身の"死"」として受け止めるかの葛藤だったのではと感じた。

その末にたどり着いたニュー○ータニの廃墟。

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あのニュー○ータニの廃墟にロボットたちの残骸が点々と横たわるシーン、自分は「機能停止した機械」ではなく「かつて生きていた者たちの遺体」だと認識した。

ヤチヨさんがどう思ったかは(繰り返しになるが)語られないものの、"交換パーツ"を見つけた時の描写から、やはり「かつて生きていた者たちの遺体」と認識したのであろう。これまでかなりしつこく「ご遺体尊厳ギャグ」の主体として描かれていたヤチヨさんが、自身の"死"と"生"に向き合うことで、遺体への尊厳という感情を獲得した。


そのうえで、あのラストの台詞。

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「(機能停止はあれど)"死"を持たないはずの人造物が"死"を通じて"生"を獲得する」話、サイコーにSF。

古典だけど、アシモフ『バイセンテニアル・マン』とかは思い出しちゃうよな。


以上。
言葉として語られることがなかっただけに、「言葉で埋めたい」という欲望が臨界を突破したので長々と書いてしまった。


前回感想は

ka-ka-xyz.hatenablog.com