を読んで雑感。
正直なところ、被曝による健康被害について専門知識のない自分のような人間が何か確定的なことを書いてしまうというのは不誠実なことだと思っています。(学生時代に放射性同位体を扱ったことはあり、物理的な挙動やサーベイメーターの扱い方についてはそれなりの講習は受けていますが、人体への長期的影響については素人同然なので。)
ただ、ECRRとクリス・バズビーについては一度きちんとした形で考えをまとめて置きたいなあということで。それにまあ家族が心配してるんで。
とりあえず、上のインタビューでの彼の主張をまとめると、
「原発推進のための組織であるICRPおよび原発推進派の科学者たちは、内部被曝による健康被害についてのデータをねじ曲げ、リスクを不当に過小評価している」
ということに尽きるかと思います。
ところで、京都大学の今中哲二氏についてご存知でしょうか。
小出裕章氏と共に、いわゆる「熊取六人衆」として70年代から反原発運動にコミットし続け、今回の福島原発事故でも活発に活動し続けている、日本における反原発運動の旗手の一人です。
その今中哲二氏がECRRに下した評価は↓の通り
大事なことなのでテキストに落として二度書くと
- ECRRのリスク評価は、「ミソもクソも一緒」になっていて付き合いきれない.
- ECRRに安易に乗っかると、なんでもかんでも「よく分からない内部被曝が原因」となってしまう.
[PDF]第99回 原子力安全問題ゼミ 低線量被曝リスク評価に関する話題紹介と問題整理 より引用。
なんというか、ECRRの主張が多数の科学者から否定的に取られているのは、別にバズビーが反原発派だからとか、国際的御用学者組織(と一部で言われている)ICRPが暗躍しているからと言うわけではなく、単に彼らの主張に根拠が乏しいからです。
ECRRの主張に賛成する、あるいは最悪ケースを想定してECRRの主張を受け入れる方々もいるとは思いますが、原発推進・反対という立ち位置に関係なく、ECRRの主張に対する激しい批判が有るということは知ってほしいと思います。
具体的にどのような批判をされているのかについては下記も参照。