おーい磯野ー、Flashpoint Campaignsしようぜ2

前回に引き続き、Flashpoint Campaigns の紹介。"Pied Piper"シナリオのAAR。

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このAARについて

前回書いたとおり、このゲームでは一度部隊が交戦状態に入ってしまうと、なかなか指示に従ってくれません。
なので、プレイ中にプレイヤーが能動的に介入できる余地が地味というか、予備兵力の投入タイミングや間接砲撃のターゲット指定ぐらいかと。じゃあ何が面白いのかというと、事前に敵の進撃ルートを予測して兵力と予備兵力を配置していく過程がメインな気がします。事前の予想がハズレた場合に計画を修正していくあたりも面白いんですが、最初の読みが多分一番重要で面白い所。

ということで、このAARでは事前の作戦立案をメインに書いていきます。

Pied Piper シナリオについて

プレイヤーはNATO側。

開戦一日目。ソ連第一親衛戦車軍の遠距離偵察部隊は東西ドイツ国境線を突破し、ウェーザー川にかかるハーメルンの幹線道路橋を目指して進撃中。一方、NATO側が現在ハーメルンに展開している戦力は乏しいが、一時間程度で増援部隊が到着する予定。NATO側はソ連のウェーザー川渡河を阻止するために必要な可能な限りあらゆる手段を取ること。

敵の進撃ルート予想

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幹線道路沿いの進撃ルートAを中心として、その両脇B, Cからもハーメルン市街と橋に向けて進撃してくると予想されます。
青矢印1は見方の増援ルート(詳細は後述)。

見方兵力

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初期配置戦力は歩兵(+歩兵戦闘車)三個小隊と戦車三個小隊。ここで気をつけなければならないのが、戦車がレオパルド1であること。ゲームのシナリオである1989年においては明らかに二線級戦力であり、ソ連側の主力であるT-80と正面から打ち合ってはまず勝てません。

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また、意思決定サイクルについても、NATO側16分に対しソ連側23分と、NATO側が優位では有るものの戦力差を覆すような大きな差は無いです。

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ゲーム内時間で一時間ほど経過すると、M-109自走砲二個小隊が到着します。さらに20分後にレオパルド2が配備された戦車中隊(三個小隊+司令部)が到着し、さらにその20分後には歩兵三個小隊が到着します。増援はウェーザー川西岸に出現するので、戦車や歩兵については東岸へ移動して戦闘に加入するためにさらに30分程度の時間が必要です。

敵兵力

シナリオ開始時の情報によると、戦車80両以上+歩兵戦闘車70両程度を中心とした戦車旅団。

AAR: 作戦プラン1

上で書いたとおり、そもそも数的に劣勢である上に初期配置されているレオパルド1ではどうあがいてもT-80には太刀打ち出来ません...が時間をかせぐ必要があるということで、予想進撃ルートにそれぞれ歩兵+戦車各一個小隊のセットで防衛ラインを構築します。

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また、ハーメルン東方を流れるウェーザー川支流にかかる橋は片っ端から爆破して時間を稼ぎます。(30分程度で復旧されるけれど)
防衛ラインAが突破されたら、防衛ラインBとCを下げてハーメルン市街で防衛ラインを作る...のは多分無理。現有戦力だと予備は作れないので、増援がくるまでとにかく死守。一時間半後に増援が来たらハーメルン市街外縁に防衛ラインを引き、迎撃する予定。

ということでシナリオスタート
1時間40分経過時の各防衛ラインの様子

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侵攻ルートBのソ連部隊には戦車が存在せず、APCやIFVのみでした。また、効果的に構築された地雷原も相まってNATO軍の一方的勝利となっている模様(小さい煙が上がってるのが、撃破されたユニット)。ただし、ほぼ弾薬が尽きているので再補給の必要あり。

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侵攻ルートA(画面右側)およびC(画面左側)について。ソ連軍のT-80戦車が現れてからはかなり形勢不利で突破されそう。ルートCから部隊を回して対応することに。

一方で、マップ西側には増援部隊が到着し、ハーメルン市街へ展開すべく高速移動中。ルートAが突破されるまでにハーメルン市街外縁に防御ラインを敷くことが出来るかどうかは微妙なところ。

3時間経過時の各防衛ラインの様子

増援部隊のレオパルド2中隊がハーメルン市街外縁に防御ラインを敷くことに成功。

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500m以下の距離で打ち合うので、T-80を相手にすると損害が出ますが、市街地の防御補正と築城効果があるので何とか優勢です。

3時間47分経過時

ソ連側の損害が一定数を上回ったため、ゲーム終了。
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評価的には大勝利。
グラフのバーは各兵科の数で青はNATO側、赤がソ連側。また、左側のバーが開始時、右側のバーが終了時のもの。
ソ連側は戦車以外の戦力がほぼ全滅状態。

AAR: 作戦プラン2

上で書いたとおり、そもそも数的に劣勢である上に初期配置されているレオパルド1ではどうあがいてもT-80には太刀打ち出来ません...が時間をかせぐ必要があるということで、ハーメルン市街に防御ラインを引き、もともと防御側に有利な市街地地形に築城の防御強化を加えて数の差をカバーしようという案。

結果

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どうあがいても増援部隊がウェーザー川を渡る前にソ連部隊が市街地を制圧してしまう。渡河を防ぐ事はできるものの、橋の確保は無理。