「酸素なしで生きる生物が発見されました!」ブックマークコメント追記

酸素なしで生きる生物が発見されました! : ギズモード・ジャパン 酸素なしで生きる生物が発見されました! : ギズモード・ジャパン

について、ブコメの追記。

先ずはじめに、自分はもう生物系の研究現場から離れて大分経つし、教科書的な知識もぶっちゃけ錆付いてることを前提にしてくらはい。あと、現役で研究生活していた頃も海洋生物学とかは完全に研究分野外だったので、実は結構的外れなことを書いてるかもしれない。そんな感じで眉につばをつけて読んどいてください。

基本的には、

  • 後生動物でかつミトコンドリアを持たず、hydrogenosomeを持つ
  • しかも、生涯にわたって嫌気性環境下で生きている

ことが新規性なんだと思われる。
それにしても、いったん大学を出てしまうと過去の論文を追うのが絶望的に難しいな。結局アブストしか読めないし。現役で研究やってる人は恵まれた環境を実感して無いだろうけど、ドロップアウターにとっては不便さが身に沁みるね。

以下、ギズモード記事についてたブクマコメントについて勝手にレス。

id:gomis 深海の熱水噴出孔まわりのチューブワームなどは硫化水素だけで何とかしてたと思ってたけど、酸素も使ってるんだろうか。

チューブワーム(ハオリムシ)は酸素が無いと死にます。奴等は硫化水素から栄養を得るバクテリアと共生して有機物を得てるけど、呼吸には酸素が必要。ミトコンドリアもちゃんとある。以下引用

チューブワームにとって、酸素欠乏は死活問題である。もし、流れの加減で無酸素水が長時間滞流したら窒息してしまう。熱水噴出孔ではそれも稀では無いだろう。

深海生物学への招待 (NHKブックス)」p102より。

id:cohey_cap 生物 あれ?クマムシって真空で生きられるんじゃなかったっけ?クマムシは単細胞じゃないよね?

ブコメの方でも既にレスが入ってるけど。
クマムシが異常な耐性を発揮するのは、徐々に乾燥させてクリプトビオシス状態になってから。いきなり高熱にしたり乾燥させたり真空にしたらあっけなく死ぬ。
(昔々、「極限の生物たち―どっこい、おいらは生きている (カッパ・サイエンス)」でクマムシのことを知っていろいろいぢめたけど結局あっけなく死なせてしまったのも良い思い出。今考えるとやな中学生だったな。そういやハオリムシについてはじめて知ったのもこの本だった気がする。)

id:m-naze 生物 寄生虫など嫌気性活動する多細胞生物は既知だったけど、生活環全体、という点がミソなのか?混乱してきた。/いずれにせよ、ギズモードの邦題は的外れ

ミトコンドリアをもたない寄生虫というと、真っ先に思い浮かぶのはGiardiaとかの鞭毛虫(hydrogenosomeを持つ鞭毛虫って結構居たのね。この記事について調べていてはじめて知った)だけど、これは単細胞だしなあ。
ごめんなさい。分かりません。