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横山信義「宇宙戦争1941」「宇宙戦争1943」感想

読書 雑記

(「宇宙戦争1945」感想はこちら)

宇宙戦争1941 (朝日ノベルズ)

宇宙戦争1941 (朝日ノベルズ)

宇宙戦争1943 (朝日ノベルズ)

宇宙戦争1943 (朝日ノベルズ)

昭和16年12月8日、太平洋上の空母から飛び立った帝国海軍の攻撃隊。日米開戦劈頭、米太平洋艦隊の根拠地である真珠湾を襲撃すべく、ハワイを目指したが―彼らの見たものは、所属不明の三脚兵器になすすべなく蹂躙され、炎上する米艦隊の姿だった。突如現れ、真珠湾を壊滅させた兵器の正体とは?新たな勢力は、敵か、それとも味方なのか!?

いやー。面白い。第二次大戦中に異星人の侵略が・・・・というプロット自体は、Harry TurtledoveのWorldWarシリーズ(未訳、最近やたらと戦記SF出すようになった早川あたりで翻訳してくれないものか)や、小川一水時砂の王」中の1エピソード、あるいはHoI2のエイリアンMod(参照)等がありましたが・・・・横山信義宇宙戦争1941」の何がツボかというと


トライポッド 対 大艦巨砲


という頭のネジが一本抜けてしまったような壮絶なドツキ合いを正攻法で描いてるところです。通常の野砲クラスの火力や航空爆弾では太刀打ちできなくても、14in〜18inの火力で殴りかかれば・・・・ということで、「プリンス・オブ・ウェールズ」「金剛」「榛名」「長門」「陸奥」「大和」「武蔵」「ノースカロライナ級」といった戦艦群がトライポッドや火星飛行機械相手に「一艦一殺」並の壮絶なキルレシオでの戦いを挑みます。正に火力天国(しかし、この勢いで消耗して行ったら数年後には米国以外は継戦能力が無くなるような)。

あと、寸前で未遂に終わった真珠湾奇襲を「無かったこと」にしようとする日本政府と「いやお前ら絶対奇襲しようとしたろ?この戦争が終わったら覚えてろ」という米国政府のやりとりとか、「地球統合軍」設立準備委員会に出向してる井上成美中将の主張が物凄くこの人っぽい理想主義なところとか、細かいエピソードも色々と良い感じです。

三巻以降では欧州での陸戦も描かれると思いますが・・・一方的な虐殺以外の展開が思いつかないところを、どういう展開でひっくり返すのか期待。


(この人の作品は「修羅の波濤」での余りにご都合主義な展開にうんざりして新刊購入対象から外してから10年以上経ちますが、この作品については今のところ文句は無いです。エンタメとして面白い。)