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個人的におすすめなSF短編十選

読書

何故かはてなでSF作品ランキングブームらしいので、このビッグウェーブに乗ってみる。

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まあ、今更長編SF作品挙げてもN番煎じだし、個人的には中短編こそSFの華と思ってるんで、中短編SFのオススメを紹介。選考基準?自分が過去に読んで印象深かったものというだけです。
特にランキングとかしてる訳でもないので順不同。

誰得? 俺得。



ティプトリーJr.「ビームしておくれ、ふるさとへ」

自分を取り巻く社会に対して折り合いの付かない青年が、ある「夢」を信じることで社会に歩み寄ろうとするが・・・という話で、今風の言葉で言ってしまうとぶっちゃけ「厨二病乙」って感じでまとまってしまうと思う。
でもなあ、主人公は(あるいはティプトリー本人も)、その「夢」が現実では無いことを知りつつ、しかしその「夢」にすがることで初めて社会の中で生きていけるというか、世の中に対する絶望的なまでの疎外感がなんとも悲しい。最後のオチをご都合主義として批判できる人はよっぽど幸せ者なんだろうなと思う。

神林長平「妖精の舞う空」

「戦闘妖精・雪風」シリーズの初短編。

文庫(初代)版

戦闘妖精・雪風 (ハヤカワ文庫 JA 183)

戦闘妖精・雪風 (ハヤカワ文庫 JA 183)


自分の厨二時代の愛読書。このへんでも「ぼっちは格好良いものだ」という概念を刷り込まれた気がする。この透明感の有る無機質な文体は至高。

微妙に改訂されたバージョン

戦闘妖精・雪風(改) (ハヤカワ文庫JA)

戦闘妖精・雪風(改) (ハヤカワ文庫JA)


SFマガジンに収録されたオリジナル版(「妖精が舞う」)


英訳版(THE SKIES WHERE FAIRIES DANCE)

Yukikaze

Yukikaze

たった今Kindle PapaerWhiteで読んでみたけど、KindlePWってやっぱり英語に最適化されてるんだなあと思った。何か英語のほうがUIなのかUXなのか分からないけどしっくり来る。

ハインライン「輪廻の蛇」

輪廻の蛇 (ハヤカワ文庫 SF 2)

輪廻の蛇 (ハヤカワ文庫 SF 2)

ある意味究極の「もう全部あいつ一人でいいんじゃないかな」小説(性的な意味で)。
ハインラインのタイムパラドクス小説というと「時の門」の方が有名ではあるけど、こっちのほうが色々と極まってる気がする(性的な意味で)。

ゴドウィン「冷たい方程式」

冷たい方程式 (ハヤカワ文庫SF)

冷たい方程式 (ハヤカワ文庫SF)

いわゆる「方程式もの」の元祖。物理法則と倫理的な正しさが相いれない場合、どうやっても物理法則を変えることが出来ないから必然的に倫理が負けるよねという話。
ちなみにWikipedia方程式もの」には男塾が入ってるけど、言われてみれば確かにそうナノカナー。

谷甲州「星空のフロンティア」

仮装巡洋艦バシリスク (ハヤカワ文庫 JA (200))

仮装巡洋艦バシリスク (ハヤカワ文庫 JA (200))

谷甲州の「航空宇宙軍史」シリーズの最初期作品。傑作揃いのこのシリーズの中でも「ミリタリSF」と「宇宙論思弁SF」という異質な要素がハイレベルで融合していて素晴らしい(今のところシリーズのメイン作品群は太陽系内での戦闘を扱う「外惑星動乱」編なのでどうしても宇宙論SF的な側面が弱いけれど、最強の戦争ハードSFシリーズです。これだけは譲れない。)

筒井康隆「幸福の限界」

おれに関する噂 (新潮文庫 つ 4-5)

おれに関する噂 (新潮文庫 つ 4-5)

1973年の作品。当時の「幸福」感(団地住まい姑同居な家庭で、「私達幸福過ぎる~」って感極まって泣き出す辺り)が面白い。と同時に何時の時代も(内戦とか大恐慌とかに成らない限り)「何となく感じる閉塞感」っていうのはあんまり変わらんのかなあ。

ラファティ「日の当たるジニー」

九百人のお祖母さん (ハヤカワ文庫SF)

九百人のお祖母さん (ハヤカワ文庫SF)

進化論ハードSF・・・なのかラファティホラSFなのかは判断が難しいけど、なんかこー変なモノが生まれてしまったっていうヤバさがなんとも言えず魅力的な逸品。

菅浩江「そばかすのフィギュア」

そばかすのフィギュア (ハヤカワ文庫 JA ス 1-4)

そばかすのフィギュア (ハヤカワ文庫 JA ス 1-4)

てのひらの宇宙 (星雲賞短編SF傑作選) (創元SF文庫)

てのひらの宇宙 (星雲賞短編SF傑作選) (創元SF文庫)

高校時代だったか、SFマガジン掲載時にリアルタイムで読んだけど、色々と古傷が蘇るのでコメントはパス。いや傑作だけど心のカサブタめくり的な気がして言及するのにハードルが高い。

グレッグ・ベア「鏖戦」

80年代SF傑作選〈下〉 (ハヤカワ文庫SF)

80年代SF傑作選〈下〉 (ハヤカワ文庫SF)

これは翻訳芸というか、ある意味で日本語訳が原文を超えてるかもしれない。当時SFマガジンに連載されていた大森望「SF翻訳講座」で、凄いハッタリの効いた文章が英語の原文で読むと結構平易なものだと知ってショックを受けた記憶が有る。翻訳凄い。翻訳でオリジナルの良さを殺さず、これだけ無茶というか個性を発揮できるっていうのは本気で凄い。

小川一水「漂った男」

陸のない海洋惑星に不時着してしまった偵察機パイロット。海水の比重が高いので泳がなくても浮かんで生きていけるし、栄養分が豊富な海水を飲んでるだけで十分生きていける。問題は・・・広大な惑星から人一人を発見できる可能性が0に近いこと。サバイバルキットの超光速通信機を使って救援隊や妻と会話はできるものの、社会から切り離された漂流生活が始まる・・・
強制的に傍観者にされてしまった悲哀っていうか、理想のひきこもりライフっていうか、とにかく悲惨かつユルいサバイバル生活が今始まる!

飛浩隆「デュオ」

象られた力 kaleidscape (ハヤカワ文庫 JA)

象られた力 kaleidscape (ハヤカワ文庫 JA)

音楽テレパスミステリサイコ名無しSF・・・ってまとめてしまうと凄くカオス。いやなんか、あらすじ紹介しても感想っぽいコトを書いても、この独特の読後感というか素晴らしさを伝えることは出来そうにない。何なんだろうねこの魅力は。

まとめ

・・・気がつけば十篇超えてるけどまあいいや。というか全然足りないけど。草上仁やニーヴンも出したい。あ、アシモフとクラークも、シェイクリも、いやいやバラードも、イーガンもチャンも入ってねーし小松左京御大も(きりが無い)。改めて並べてみて気付いたけど、やっぱ中高生の頃(90年代終わりぐらい)に遭遇した作品への思い入れは高いな。


まとめると、いやー短編SFって本当に素晴らしいですねってことで。