小川一水「天冥の標 6 宿怨 PART3」感想

天冥の標 6 宿怨 PART3 (ハヤカワ文庫JA)

天冥の標 6 宿怨 PART3 (ハヤカワ文庫JA)

西暦2502年、異星人カルミアンの強大なテクノロジーにより、“救世群”は全同胞の硬殻化を実施、ついに人類に対して宣戦を布告した。准将オガシ率いるブラス・ウォッチ艦隊の地球侵攻に対抗すべく、ロイズ側は太陽系艦隊の派遣を決定。激動の一途を辿る太陽系情勢は、恒星船ジニ号に乗り組むセレスの少年アイネイア、そして人類との共存を望む“救世群”の少女イサリの運命をも、大きく変転させていくが―第6巻完結篇。

これまた黒い展開。希望は残ったというべきか、残ったのは希望だけと言うべきか。
それにしても、「「天冥の標 1」の数ページめくるごとに首を傾げてしまう変な世界「ハーブC」の成立へと続く道が大分見えてきた感。駆け足というか描写・説明不足気味な部分もあるものの、広げた大風呂敷のサイズが大きすぎて余り気にならない。