電子レンジで光速を測ろうとしたけど上手く行かなかったでござるの巻

追記:(2014/02/22): 続編書きました。


電子レンジで光速を測ろうとしたけど上手く行かなかったでござるの巻 続き - ka-ka_xyzの日記

続編から読んだほうが良いかも。




追記:(2014/02/24):


電子レンジで光速なんか測っちゃダメダヨー


ということで、もともとの実験レポのほうでも訂正が出てました。



概要

チョコレートをレンジでチンして光の速さを計算してみる チョコレートをレンジでチンして光の速さを計算してみる

とか
電子レンジ+チョコで「光の速度」を確認する実験 « WIRED.jp 電子レンジ+チョコで「光の速度」を確認する実験 « WIRED.jp
とか、バレインタイン時に定期的にネタになる、電子レンジでチョコを溶かして光速度を測定する話について、自分でも実際にやってみようと思った。ただチョコの溶け方を指標とするのはどうも画像としてわかりにくいので、FAXの熱感応紙を使用して加熱される部分の特定を試みた。
しかしながら、実験を行った結果、想定される結果を得ることが出来なかった。後で再現実験を試みる人のために、一応レポートを残しておく。

あ、あと実験の理論的背景については過去の報告( チョコレートをレンジでチンして光の速さを計算してみる )を参照。

まてめそ!*1

電子レンジ

NEC MC-SC1 (96年製)を使用した。周波数は2450MHzであり、過去の報告( チョコレートをレンジでチンして光の速さを計算してみる )と同じである*2

熱感応紙および過熱検出システム

熱感応紙の製造元は不明。洗面台に水を張り、その中に熱感応紙を浸してまんべんなく水になじませた後に余計な水分を落として、プラスチック製のフタ(Microsoft Surface Pro3用タイプカバーの箱を包装していたもの)に貼り付けた。このフタの横幅は上記電子レンジの加熱室の横幅内径とほぼ一致しているため、熱感応紙の回転を抑え、一定の位置を保持することが出来る。また、このフタは下部に折り曲げが入っており、熱感応紙と電子レンジのターンテーブルとが直接接触して電磁波以外の影響で加熱されることを防ぐ役割を果たす。

結果

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「レンジ強」で20秒間加熱した熱感応紙

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「レンジ強」で40秒間加熱した熱感応紙(20秒過熱のものとは別の熱感応紙を使用している。)


加熱時間を長くすると発火する可能性もあるため、40秒程度で過熱を止めている。
画像を見て分かるように、水に浸した熱感応紙を使用することで加熱される部分(以下、過熱スポット)を可視化することに成功している。各過熱スポットの間隔は約18~19 cm程度と思われるが、家にあるモノサシの測定レンジから外れているため、正確な値を取得することが出来なかった*3

考察

今回実験で使用した電子レンジの周波数は過去の報告( チョコレートをレンジでチンして光の速さを計算してみる )と一致しており、過熱スポットの間隔は6 cm程度となるはずである。しかしながら、実際に得られた過熱スポットの間隔はその数倍となる18 ~ 19 cm程度であった。

過去の実験と異なる結果が得られた原因としては以下の様な理由が考えられる*4

  • 電子レンジが古すぎて周波数が安定してない説
  • もっと加熱したら6 cm間隔のスポットも得られるんじゃないか説
  • どう考えても家の光速度が悪い説

おわりに

96年製ってことはもう20年モノか・・・いーかげん電子レンジ買い換えないとなー。


追記

いやチョコもらってるから。チョコ無いから熱感応紙使った訳じゃ無いから。

追記2

もしかしたら金属製のターンテーブルが何か悪さをしてるのかも・・・と思ってターンテーブルを外した状態で同じ実験をやってみた。

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加熱時間は15秒程度。
プラスチックのフタが底面につかないように高さ5cmのダンボール円柱*5で四隅を下から支えた状態で実験しているので、底面からの高さとしては前の実験と同じぐらいのはず。

うーん。過熱スポットの出現パターンが全然違うし、幾何学模様を描く訳でもない。そもそもスポットとスポットの間の距離は8 cm程度でやっぱり理論値とは合わない。実に微妙。あと、そもそも普通に電子レンジとして使用するときは当然ターンテーブルが入った状態で動かすわけで・・・

電子レンジ側に問題があるのか、濡らした熱感応紙を使う方法に問題があるのか、結論としてはよく分からない。均一に加熱されずに局所的に加熱されてるので確かに定常波っぽくはあるけど・・・

*1:Materials and Methods の略。平たく言うと実験の「レシピ」

*2:電子レンジなんで当たり前だけど

*3:というかめんどかった。

*4:もちろん、あんまり根拠は無い。適当である

*5:トレペの芯を半分に切ったもの