エリュトゥラー海案内記

エリュトゥラー海案内記 (中公文庫)

エリュトゥラー海案内記 (中公文庫)

高校時代に参考資料で名前を見てから10年ぐらい探していた本だったけれど、いつの間にか復刊していたので早速購入。

内容としては、古代ローマ帝政時代の交易商人(船主/水夫?)の手による紅海・インド洋での交易や地誌についての案内記なんですが、帝政ローマ帝国経済圏の東端であるインド諸海港についての記述や、さらにマレー半島や秦・漢帝国と見られる伝聞情報も含まれています。
当時のグローバルな経済圏を想像したり、東洋史と西洋史との交わりに思いを馳せたり、交易品の内容や税制から当時の商業活動を考察したり、当時の航海模様を想像したりと、楽しみどころ満載。ロマン汁が溢れるシズル感。
案内記自体は40ページ弱のボリュームなんですが、そこに序説・注釈・解説合わせて250ページがついてくる。
世界史ファンは買いです。