「現代人より古代人の方が圧倒的にIQが高かった!? その理由はやはり食事」について

現代人より古代人の方が圧倒的にIQが高かった! その理由はやはり食事 マイロハス 現代人より古代人の方が圧倒的にIQが高かった! その理由はやはり食事 マイロハス

ブコメ/Tweetで書いたからまあいいかなとも思ったけれど、やっぱblogでひとまとめにしときます。

タイトル前半「現代人より古代人の方が圧倒的にIQが高かった!?」について

そんなことを思っていたら、「人は世代をさかのぼるに連れて賢かった」という事実が発見されたそう! アメリカ・ハーバード大学の遺伝学者によると、紀元前を生きたアテネの市民たちは、今この時代の人間よりもずっと優秀だったと言われており、もし現代人の中に彼らが混ざったら、たちまちその優秀さやIQの高さが注目を浴びるレベル。その理由として考えられているのが、食べ物に含まれている農薬や化学調味料などの影響です。

何故か"アメリカ・ハーバード大学の遺伝学者"とあるだけで具体的な人名はぼかされてますが、この記事の参照元になってるフランスのサイト

Insolite : l’homme deviendrait de moins en moins intelligent

によると、"Dr Gerald Crabtree, un généticien de l'Université de Stanford"とのこと。"StanfordのDr Gerald Crabtree"さんについてぐぐってみる。

"現代人より古代人の方が圧倒的にIQが高かった"と言ってるのかどうかと言うと、"IQ"って単語はともかくとして、古代人のほうが知的・感情的な能力が高かったと主張してる。
原文はこちら
Our Fragile Intellect(私たちのはなかい知性)

ざっくり言うと、知性や感性ってのは様々な遺伝的要素にも左右される。でもって、数万年前ぐらいまでは自然淘汰圧によって遺伝的に生存に不利な個体は子供を作らずに死んで逝って、優秀な個体だけが子孫を残していけた(自然淘汰)。結果的に能力はメキメキ上がった。
でもここ3000年ぐらいの人類は、そういう食うか食われるかな環境から切り離され、自然淘汰の圧力がかからない状況に置かれていた。よって、不利な遺伝的変異がそのまま子孫へ受け継がれ、結果として祖先よか劣っちゃうよねー。という仮説(凄いざっくり解釈なので、不安な人は原文を読もう)。

てかこの主張って一歩間違えば社会進化論とか優生学とかだよなー。ピンカーさんとかもだけど、地雷を踏みに行く気概は凄いよなー。でもって、この仮説に対する反応についてはハフィントン・ポストの記事にわかりやすくまとめられている。
Humans Are Getting Dumber And Dumber, Says Stanford Researcher Gerald Crabtree


まとめると

  • 古代人のほうが知的・感情的に優っていたというGerald Crabtreeが提唱した仮説は有る
  • その仮説では、自然淘汰圧が減少したことによりそのような現象が発生するとされている

さて、「化学調味料」やら「フッ素」やら「農薬・クロルピリホスやらブドウ糖果糖」というキーワードが全く出てきてないことに注目。こいつら何処から来た?

タイトル後半「其の理由はやはり食事」について

この記事の参照元になってるフランスのサイトですが、フランス語は読めないのでgoogle翻訳さんに頑張ってもらいます。

Insolite : l’homme deviendrait de moins en moins intelligent

調査によると、ヒト遺伝子の約10%が知的機能に関与している。 すべての世代において、変異の数十は、ゲノム内で発生し、特定の影響を与える可能性があり知性を 。 私たちはそう彼によれば、容赦なくそれ以上の馬鹿だろう。 悲しい!

しかし、我々のゲノムが唯一の原因ではありません。 私たちの生活と私たちの食事も私たちの知的能力に悪影響を及ぼす。 例えばフッ化物。 この鉱物は、飲料水で自然に発生する、小さな量で、 虫歯を防ぐことができます。 しかし、ハーバード大学の研究によると、高い濃度が強いですが、それは子供のIQに悪影響を与えます。 "我々の結果は、子どもの神経発達上のフッ化物暴露の有害な影響の可能性を確認し、"科学者たちは、ジャーナル環境健康展望に説明している。

グルコース-果糖シロップは、IQを低下させるであろう
とフッ化物は私たちの脳を傷つけるしたいに一人ではない! いくつかの農薬私たちの食物連鎖の中で発見されたクロルピリホスを含むはコロンビア大学の公衆衛生のMailmanの学校の勉強の後に子どもたちの精神的、精神的発達を損なうであろう。
警戒すべき最後の製品:ほとんどの加工食品で有名なブドウ糖果糖存在する。 英国の研究者は、定期的に3年間、このような製品を消費する子供たちが続い5年間で彼らのIQの低下を見たことがあることがわかった。 果物や野菜が豊富な食事を持っていた子どもたちに対してでは3年間で彼らの知能指数増加が見られました...最後にすべての希望が失われ​​ていません!

ここで初めて食品添加物の話が出てくる。
取り敢えず、Harvard絡みでフッ素とIQの関係がどうたらという論文は存在してる。ブドウ糖がどうこうってところまでは調べきれない。

Developmental Fluoride Neurotoxicity: A Systematic Review and Meta-Analysis

しかしまあ、ハーバードの研究って言っても、著者見てもわかるように「古代人のほうが知的」説を唱えているGerald Crabtreeとは何の関係も無い話っぽい。ついでに言うと、この報告が正しいかどうかってのは今後の検証を待たないとなんとも言えない。

てか、元のフランス語サイトだと

「遺伝的に知性が低下する」かつ、それが唯一の原因ではなく「食品によっても知性が低下する」っていう文章で、この2つの話の間には相関関係が無いモノとして書かれているように見えます(google翻訳がどのまで信頼出来るのやら・・・と思うものの、"我々のゲノムが唯一の原因ではありません"の箇所、原文だと"Mais notre génome ne serait pas le seul en cause."については正しそう)。

ところが日本語記事だと、タイトルから「現代人より古代人の方が圧倒的にIQが高かった!? その理由はやはり食事」と、ド直球に因果関係を出してます。もちろん内容的にも。まあ、フランス語の記事を日本語で紹介するときについつい因果関係をつけちゃった感。
まとめると


遺伝的容因について語っていたはずのGerald Crabtreeの仮説が、転載やら翻訳やらを受けるうちに何故か「食品添加物が悪い」と成ってしまうまでのストーリーはこんな感じでした。終わり。

古代といっても添加物は有る

古代ローマの頃から酢酸鉛(注:かなり有毒)が食品添加物としてけっこう使用されていたりしてまして。

 史上初めての人工甘味料は、古代ローマ帝国で用いられたサパ(sapa)であるといわれます。博物学者プリニウスが書き残した文書には「鉛の鍋で腐敗したワインかブドウ汁を煮詰めるとサパが得られる」とあり、これを加えれば料理に甘味がつき、ワインが日持ちするようになることが知られていたようです。実はこの甘味成分は酢酸鉛であり、確かにこの化合物は甘く、殺菌作用があります。当時の料理のレシピにもサパを使った料理がたくさん載っていたというから人気食材だったわけですが、サパは鉛化合物ですからもちろん有毒で、あるいはローマ人が短命だったのはこれが影響していたのかもしれません。

最強の甘味化合物(1)

古代ローマにおいては、蜂蜜以外に手に入る甘味料は少なかったため、完熟させたブドウの果汁(ムスト)を鉛でコーティングされた青銅器で煮ることによって得られるサパ (sapa) と呼ばれるシロップが甘味料として好んで作られていた。このシロップは殺菌効果もあったことから、当時ワインの甘み付けや果物の保存に一般的に使われていた。しかしこれには製造の過程で青銅器にコーティングされた酢酸鉛などの鉛化合物が、加熱によって溶解される事に加えて焦げ付き防止のために掻き混ぜる際擦れて溶け出し含まれてしまうため、大量の鉛が溶け出したシロップを添加したワインを好んで飲んだ者が鉛中毒となっていた可能性が否定できず、多くの皇帝など古代ローマの記録に残る有名な人物の発狂や死の原因ともなったと考える研究者がいる。

酢酸鉛(II) - Wikipedia

今の常識だと考えられないぐらい凶悪な食品添加物ですが、古代だから健康にいいんだろう。多分。