暴力装置の続き

前回から続く。

石破茂氏の過去の発言より

集団的自衛権と国連観に違いがみえた - asahi.com:AAN発 - 朝日新聞アジアネットワーク - 国際 集団的自衛権と国連観に違いがみえた - asahi.com:AAN発 - 朝日新聞アジアネットワーク - 国際

 破綻国家においてどうしてテロは起こるのかというと、警察と軍隊という暴力装置を独占していないのであんなことが起こるのだということなんだろうと私は思っています。国家の定義というのは、警察と軍隊という暴力装置を合法的に所有するというのが国家の1つの定義のはずなので、ところが、それがなくなってしまうと、武力を統制する主体がなくなってしまってああいうことが起こるのだと。

この発言の芯は、別に”「暴力装置」という言葉を石破氏が使っている”ということではなく(「暴力」の語感が気に入らないなら別に「権力装置」でも「強制装置」でも良い)

警察と軍隊という暴力装置を合法的に所有する

ことが国家の一つの定義であると明確に述べ、

破綻国家においてどうしてテロは起こるのかというと、警察と軍隊という暴力装置を独占していない

と、国家が暴力(権力・強制)装置を独占していない状態が破綻国家であるということを断言していること。
逆に言うと、現在のところ日本は破綻国家ではない(いや確かに民主党政権はダメダメなんだけれど、テロが頻発する訳でもなし、都道府県が天下布武を目指して争うわけでもなし、モヒカンヒャッハー状態でも無い)訳で、つまりは選挙で選ばれた政府が国民の同意を受けた上で警察と軍隊という暴力(権力・強制)装置を独占しているということ。つまりはシビリアンコントロールが機能している訳だ。
で、この石破氏の発言を踏まえた上で、今回の一連のゴタゴタの発端となった発言を振り返ってみると・・・

「菅政権つぶして自民党政権に」入間航友会会長の発言要旨 - MSN産経ニュース 「菅政権つぶして自民党政権に」入間航友会会長の発言要旨 - MSN産経ニュース

 「まだ、自民党政権の方がまともだった。一刻も早く、菅政権をつぶして、昔の自民党政権に戻しましょう。皆さんも心の中でそう思っているのでは。民主党政権では国が持たない」

平たく言うと、国家によって独占されるべき(さもなきゃ破綻国家一直線だ)暴力(権力・強制)装置の公的行事で「政権つぶしましょう」と言ってる。ヤバイ。どれぐらいヤバイかというと、90年代のリベリアとかで同じ事を言ったらまず間違い無くヒャッハー祭りが始まるぐらいヤバイ。

この発言だけならまだ心情として理解できるけれど、今回の「暴力装置」発言で仙谷氏をたたきまくってるマスコミや自民党議員がこの発言のヤバさに気づいていないのか、それとも気付いた上で近視眼的に政局重視でたたきまくっているのか、単に”そういう空気”だから叩いてるのか、いずれにせよヤバイ。
そして何故か仙谷発言を全力で擁護してる俺もヤバイ。いやだって仙谷氏のこれまでの実績はダメダメで早い所政界から去ってほしいのは確かなんだけれど、今回の一連のゴタゴタで叩きまくってる人々の方が遥かにヤバイのでしょうがない。

そして注目の石破氏の反応は・・・

週末日程、「暴力装置」発言: 石破茂(いしばしげる)ブログ 週末日程、「暴力装置」発言: 石破茂(いしばしげる)ブログ

まあ、今の状況で尻馬に乗って叩かないだけでも評価すべきなんだろうか。