外務省潔白神話の崩壊

時事ドットコム:ナチスの弾圧に外務省加担=定説覆す報告に衝撃−ドイツ 時事ドットコム:ナチスの弾圧に外務省加担=定説覆す報告に衝撃−ドイツ

ブコメにも書いたけど改めて。

詳細については報告書の翻訳待ちだけど、記事を読む限りでは全体的に以前の日記で書いた国防軍潔白神話と同じ構図のような感じだ。
結局のところ、NSDAP(ナチス)と"普通のドイツ人"を切り離して考えることで、ヒトラーの台頭〜第二次大戦の間にドイツの犯した罪について"悪いのはヒトラーとナチスであって、普通のドイツ人は悪くない"という歴史認識を作ることは、当時の関係者(西ドイツ政府・西ドイツ国民・西側連合国)にとって都合がよかったと。
それにしても、分断国家でしかも東西冷戦の最前線だったという事情があるにせよ、冷戦中にこのような歴史認識に対する異論が全く出てこなかったらしいところはやはり異常だと思う。少なくとも同じ敗戦国の日本では、”政治的に正しい”歴史認識に対する異論(例えばWW2での日本の立場を正当化するような議論や、昭和天皇の戦争責任論)が出る余地はあった。いやまあ、議論の質はともかくとしても。
なんというか、「お上の決めた世界観なり歴史認識をあっさり信じてしまう」という雰囲気は、方向性は違えど1930年代とあんまり変わってないのは気のせい?