新宿西口イベント広場古書市
この一週間、古書市で入手した本をメモ
闇よ落ちるなかれ (ハヤカワ文庫SF)
今まさに滅びんとする(いやもう滅んでるか)西ローマ帝国最末期に偶然タイムトラベルしてしまった現代人が、生き残るため、そして西ローマ帝国崩壊後の暗黒時代の到来を防ぐために七転八倒、縦横無尽に駆けまわる・・・・
この本見つけただけで、今回の古本市は大満足。値段も1000円切ってたし。
原著は1941年(雑誌連載が1939年〜41年)なんだけど、年代を感じさせない面白さ。正直、後書きを読むまで、50年代SFだと思い込んでた。まあ、いろいろとご都合主義な点があるけれど(とんとん拍子で全てのことがうまく運んで行き過ぎだろ・・・・常識的に考えて、あの当時にいきなり活版印刷施設を作ったりとか、たぶん20〜30年かけても無理だろ)、展開のテンポが速いので気にならない。あと、随所に詰められた歴史コネタ(ベサリウスの扱いとか、カエサルの借金エピソードを思わせる主人公と個人金融業者との関係とか)もニヤリとさせられる。
まあ、主人公の死後は個人に依存しすぎた組織が急激に崩壊しちゃうんだろうなあ・・・とか、そもそも中世暗黒時代っていっても技術的にはローマ以降着々と進歩してたんだけどなあ・・・・とか、いろいろとツッコミどころはあると思うけど、そんな事は言うだけ野暮だね。
スプートニク
米ソ宇宙開発競争の中、一人のソ連宇宙飛行士が軌道上で"失踪"した・・・・というストーリーを豊富なコラージュ写真で創り上げた"超ノンフィクション"。
個人的には、こういう企画では"大嘘ついても小嘘は付くな"を貫かないと面白くないと思うんだが、本書では小嘘というかアラが目立つのが欠点。でもまあ、おすすめ。
宇宙はくりまんじゅうで滅びるか?
「時の果てのフェブラリー」の読後感が”すごく・・・・ロリコンです”だったことも今ではいい思い出。それにしても、あの頃と比べるとSF作家として確変的に大化けした印象。
世界の傑作機 no.68(1998ー1) グラマンF4Fワイルドキャット (世界の傑作機 NO. 68)
日本では不当に不遇な扱いを受けているF4Fワイルドキャットについて。
いつもながら、価格あたりの情報量では「世界の傑作機」シリーズはずば抜けてるなあ。
「世界の艦艇増刊 1992 No.459 ロシア/ソビエト戦艦史」
19世紀の砲塔艦から未完の"ソビエツキー・ソユーズ"級まで。一部のゲテモノ艦マニアに有名な円型砲艦"ノブゴロド"もちゃんと入ってます。グルグル回るよ。
パンターvs T‐34―ウクライナ1943 (オスプレイ“対決”シリーズ)
ほぼ新品状態。半額で購入。もともと買いたかったものの価格的に手を出しにくかったので、満足満足。
アメリカ陸軍航空隊戦闘飛行装備
WW2の米軍飛行士の装備(パラシュート、耐Gスーツ、アーマーベストからサバイバルキット、果ては全身与圧服まで)を解説。こういう余裕がある相手と貧乏人が戦争しちゃ駄目だよなどう考えても。
ヒットラーと国防軍
"ヒトラー対国防軍"というコンテキストで書かれたリデルハート本。過去に感想を書いた「国防軍潔白神話の生成」を踏まえた上で読んでみたい。
ロンメル戦記―ドキュメント (1971年)
"The Rommel papers"の翻訳。ロンメル自身が口述筆記したドキュメント。これも前々から興味を持っていたけど中古価格にプレミアが付きまくっていて手を出せなかったんだが、今回はかなり割安で入手。こういうことがあるから古本市は楽しい。