中国人の本音 中華ネット掲示板を読んでみた
- 作者: 安田峰俊
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2010/04/20
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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大陸浪人のススメ 〜迷宮旅社別館〜さんの単行本。
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中国の大規模掲示板を翻訳する人気ブログ『大陸浪人のススメ』の管理人が、オタクカルチャーからチベット・ウイグル問題、日本のAV女優談義から共産党批判まで、彼らの本音をモニター越しに聞いてみた!
歴史文化ビジネスと幅広いフィールドで中国を体感し、ネットを通じて現地のユーザーとダイレクトに議論する著者だから書ける、笑えるけれど本気の中国論。
これを読めば、テレビや新聞が報じない"あの国のリアル"がわかる!
著者の
議論を通じてお互いが納得することが難しい話題もある。
だが、そこで思考停止して相手への賛美と譲歩を繰り返す「日中友好」的な立場や、その反動で相手を闇雲に排撃する「ネット右翼」的な立場に安易に流れるのでは、やはり前に進めないのではないだろうか。
という主張に共感。
結局のところ明治以降の日本人の対中感は、(辛亥革命や毛沢東主義に対する、現地の実情を理解しないままでの)情緒的な賛美と排撃との間の両極端を行ったり来たりするだけで、相互理解を進めるような働きかけが無かった(90年代に入るまでは経済的な交流も少なかったし、中国も露骨に東アジアの覇権を目指すことも無かったので、相互理解なんて無くても良かった。また、そんなものは無いほうが国内政治的に都合が良かった側面もある)けど、これからはそうもいってられない。
そういえば山本七平氏だったか、WW2フィリピン戦の回想で「日本人は自分たちが勝手に想像した”脳内アジア人”像に対して一方的に賛美し、それが裏切られると一方的に軽蔑する」といった意味合いのことを書いていた記憶がある。
でもまあ、中国共産党政府にとっては、自分たちが統制できない形での相互理解は都合悪そうだなあ。この先、経済活動上の実利を取ってネット上での統制が緩められていくのか、それとも現在以上に統制されていくのか・・・・