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伊藤計劃, 円城塔「屍者の帝国」感想

読書

屍者の帝国

屍者の帝国

フランケンシュタインの技術が全世界に拡散した19世紀末、英国政府機関の密命を受け、秘密諜報員ワトソンの冒険がいま始まる。日本SF大賞作家×芥川賞作家、最強コンビが贈る超大作。

早逝の天才・伊藤計劃の未完の絶筆が、
盟友・円城塔に引き継がれて遂に完成!

2009年、34歳の若さで世を去った伊藤計劃
絶筆は、未完の長編『屍者の帝国』。
遺された原稿は、冒頭の30枚。
それを引き継ぐは、盟友・円城塔ーー

日本SF大賞作家×芥川賞作家ーー
最強のコンビが贈る、大冒険長編小説。
全く新しいエンタテインメント文学の誕生!

フランケンシュタインの技術が全世界に拡散した19世紀末、
英国政府機関の密命を受け、秘密諜報員ワトソンの冒険が、いま始まる。

うーん。
刊行までの経緯が一種の美談として語られてしまっている(下記リンク参照)のでちょっとマイナス方向へ言及しにくいところもあるけれど、やはりメモっておきます。

故・伊藤計劃×円城塔『屍者の帝国』8/24発売 遺稿が盟友の手で完成するまでの経緯を公開 - はてなブックマークニュース 故・伊藤計劃×円城塔『屍者の帝国』8/24発売 遺稿が盟友の手で完成するまでの経緯を公開 - はてなブックマークニュース

面白いかどうかと言われると・・・・伊藤計劃的に濃ゆい描写が溢れる中盤辺りまでは面白いと思うのですが、中盤以降は急激に抽象度がましてくるというか円城塔色が増して来るのが気になり、あまり没入できませんでした。いや具体的に書くのはネタバレになるので避けるものの、「乗っ取り」とか「突入」シーンをあそこまであっさり書いてしまうというのはどうかと。
終盤のワトソンが行ったある「決断」についても、ワトソンについて濃ゆい人物描写が重ねられていたわけではなく、周囲に流されて行動していただけという側面が強いので、あまり寂寥感も感じられず・・・・「ディファレンス・エンジン 2.0」的に読んでも、最終的に誕生したモノにあんまりハッタリが効いていない気がする。
とは言え、過去に「ニューロマンサー」や「ディファレンス・エンジン」読んだ時も二度読み三度読みしてやっとこさ面白さを掴めたという経験もあるので、とりあえず今の時点では評価は保留とします。

でも「エンタテイメント長編」(オビより)としてはちょっと失敗してるんじゃ無いかなあ・・・。