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「明治めちゃくちゃ物語 勝海舟の腹芸」感想

読書

明治めちゃくちゃ物語 勝海舟の腹芸 (新潮新書)

明治めちゃくちゃ物語 勝海舟の腹芸 (新潮新書)

維新の志士はみな傑物、明治は華やかな新時代―というのは教科書の中の幻想。デタラメな新政府と死に損ないの旧幕府がせめぎあい、実情はまさに大混乱!家来を捨てて逃げ出す慶喜、奸計を巡らす岩倉具視、世間知らずの公卿たち…。その間を取り持って勝海舟は孤軍奮闘!敗者は非情な淘汰で歴史から消え、勝者は好き勝手に国を創る。最終決戦・戊辰戦争を軸に、「めちゃくちゃ」な政権交代劇を描く。

鳥羽伏見の戦いから戊辰戦争終結まで。話の内容的に同著者の「幕府歩兵隊」等とかぶる部分もありますが、それに加えて旧幕府旗本の没落、維新で舞い上がった「おつむが少し薄味の」お公家様の挙兵、急激に悪化する江戸の治安、明治政府の行き当たりばったり政策のドタバタ劇といった、大きく動く時代の中で起きた悲喜劇を取り上げています。
中でも東北戦争で発生した「官軍」「賊軍」双方による非戦闘員への凄惨な虐待・虐殺について強調されており、その凄惨さはバルカン半島並です。

それにしても一部政治家や企業人は「維新」とか「維新の志士」的なキーワードが大好きですが、長州征伐西南戦争までの「維新」の15年は実質的に内戦の15年であり、日本人同士が非戦闘員を巻き添えに血で血を洗う凄惨な戦争やってたということを認識してるんでしょうか。