「Twitterで学生が研究内容を暴露している件について」について

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私は現在博士課程に所属しており、今まである材料について研究を行なってきました。その材料についてはTwitterで検索をかけて、タブで検索結果を常に表示させるようにしています。勿論情報収集はgoogle scholar のメールアラートやジャーナルのRSS等も利用していますが、Twitterで検索をかけると研究していない人がその素材についてどういった点に注目しているのか、ニュースサイトのリンク等の情報が得られるのではないかと思ってTwitterで検索してみたわけです。

検索をしてみると、確かに期待した情報も数多く得られたのですが、学部や修士の学生が「俺こんな実験やってます!」とか「こういう研究テーマを行なっています!」という呟きがかなり引っかかり、非常に危機感を覚えました。「お前、正気か?」くらいのテンションでした。

(冒頭部分を引用)

いやー熱い熱い。「オレはようやく登り始めたばかりだからな このはてしなく遠い男坂(テニュアトラック)をよ・・・」っていうフレーズが思わず思い浮かんだぐらい熱い。自分は博士後期課程を単位取得退学して、研究とは全く関係無い職に就いたドロップアウターなんですが、D1の頃の希望に燃える自分が瞼の裏に思い浮かぶぐらい熱いなあ。

まあそれはともかく、そういう情熱をとうに失ったドロップアウターから見てちょっと危なっかしいというか気になった点があるのでメモ程度に書いときます。まあwhitemountfield's blogの書き手宛ではなく、かつての自分への公開処刑メモってことで。

なんとういうかこー。大学って「研究機関」で有るとともに「教育機関」でもある訳で。
「研究機関」としてみれば、そりゃグラントや特許取得の可能性を潰しかねない、あるいは論文や学会発表のネタを割る可能性がある学生の不用意なTweetなぞ「お前、正気か?」と一刀両断したくなるのは分かります。(それにwhitemountfield's blogのプロフィール欄を見ると、D1で海外行って今まさに研究者人生をスタートするぜ!という「研究者の卵」ですし。)

でも一方で、「教育機関」(ここでいう「教育」とは別に専門研究者としての「教育」に限らず、答えが無いかもしれない問題を設定し、試行錯誤して解決する能力全般についてのトレーニング)としてみれば、自分の手がけている実験への抱負やら、実験の意義への疑問やら、良さ気なアイデアを思い付いたけど研究室の人からはあまりウケが良くないのでどうにかしたいという相談やら、あるいは実験で手詰まってもう鬱で死にそうとか、そういうメッセージを大学や研究室の外部に向けて発信することは、それなりに意味があると思うんですよ。現在進行中の研究についての話題が研究室内部だけで閉じてしまうってのはあまりに勿体ない。(いやまあ、問題に成ってるtweetの実例ってのがはっきりしないので断言は難しんですが)
そういうわけで、研究者を目指す気がハナから無い学生(学部や博士前期で卒業する人達)へ現在進行中の研究について不用意に外へ漏らさないことを強制するのは難しいと思うんですよ。一昔前ならPIから「そんなことしたら単位とか就職の斡旋とか・・・・分かるよね?」っていうことも言えたと思いますが、いま不用意にそんなことしてこじれると面倒そうですし。まあ本気で禁止しようとするならNDA結べばそれで済むと思いますが、教育機関としては自殺行為だと思うです。

なんというか、研究者を目指してる人の視点ではア・プリオリ「お前、正気か?」と映る行動であっても、学部や修士で卒業しようとしてる人にとっては「え、それってマズかったんですか?」ということも普通なわけで。職務として学生の面倒を見なければ成らない立場にたどり着いた時、そのへんのギャップに無頓着だと無意味に消耗しそうで危なっかしく見えます。


・・・まあ今の自分には全く関係無い世界の話ですし

        *'``・* 。
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       ,。∩      *    もうどうでもい〜や
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って気もしますが(励起状態終了)。