読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

「秒刊SUNDAY 地球外惑星から『生命体反応』をキャッチしたとアメリカ科学者が報告」について

雑記 SETI

地球外惑星から『生命体反応』をキャッチしたとアメリカ科学者が報告|| ^^ |秒刊SUNDAY 地球外惑星から『生命体反応』をキャッチしたとアメリカ科学者が報告|| ^^ |秒刊SUNDAY

「秒刊SUNDAY」記事から一部抜粋

ケプラープロジェクトはアメリカの研究者『SETI』によって行われている、地球外生命体反応を調べるプロジェクトで去年の3月に立ちあがった。調査には写真にあるような完全可動型電波望遠鏡を利用し、地球外からの何らかの電波をキャッチし、調査していくもののようだ。

惑星と言っても宇宙には膨大な数があるが1235つの惑星に絞りそのうちの86個の惑星に水が存在し、なんらかの生命体が居るのではないかと、彼らは主張。

そして、1月6日に驚くべき発表を行った。なんと地球外惑星から『妨害電波』をキャッチしたというのだ。その電波が写真にあるような波をうった電波なのだが、通常このような電波は自然に発生せず、なんらかの知識をもった生命体が外部に向けて信号を発信しているしか考えられないという。

もちろん、これが本当であれば実に興味深い内容ではあるが、NASAの発表ではないとなるとなかなか信じ難い内容だが、もし本当に何らかの妨害電波だとしても日本の北にある国からの物だと言う、つまらないオチでなければよいが。

なんというか、いつもながら非常に香ばしい香りが漂ってきますが・・・実際にケプラープロジェクトの該当記事を見てみましょう。

First Look at Kepler SETI Data | The Search for Extra Terrestrial Intelligence at UC Berkeley

で、一行目から出落ちなんですが。

Update: Friday, January 6, 2012 After posting the plots below on January 5, it became clear that we had not stated as definitively and absolutely as possible that these signals are interference. We have update the post to make this clear. Sorry for any confusion.


We've started searching our Kepler SETI observations and our analyses have generated a few 'hits,' but all are undoubtedly examples of terrestrial radio frequency interference (RFI).
(後略)

テキトー訳

2012年1月6日更新。1月5日に下記のプロットをポストした後、これらの信号が干渉によるものであるということを決定的かつきっぱりと伝えきれていないことが明らかになりました。われわれはこの点を明確にするために記事を更新しました。混乱させて申し訳ありません。


我々はケプラーSETI観測結果を検索し、分析により幾つかの「アタリ」を見つけました。しかし、これらは全て疑いなく地球上からの電波干渉(RFI)によるものでした。

"radio frequency interference (RFI)."って「妨害電波」の事じゃないのか?という疑問も有るかと思いますが、有志によるSETI略語集ページによると

RFI
Radio Frequency Interference
 電波干渉または電波障害と訳され、一般的には周りに悪影響を与える電磁波一般を示します。SETI@homeの場合には主に地球起源の電波に対してこの表現を使うようです。

 これに当たると解析をはじめたとたんにグラフに凄いピークが現れ、その後すぐに解析作業が終了してしまいます。意味のないデータなのですが、まあ、解析数を稼げるので当たりといえないこともないかも。宇宙人の信号が宝くじの1等なら、これは8等くらいってことで(何が?)

 RFIの解説ページについてはSETI@homeRFI解説ページ(およびその日本語訳)が参考になります。

http://www2.ocn.ne.jp/~highwind/seti/gl_eng.htm

ってことで単なる電波干渉のことで間違いないようです。

じゃあ何故ケプラーSETIプロジェクトがわざわざ記事にしているかというと、(本当に異星人からの信号を傍受した場合にも似たようなパターンの電波が傍受されるため)今回使用した分析手法で地球産の電波干渉によるデータがヒットしたということは、地球外からの「本物」の信号が傍受されたときにも同じ分析手法でヒットすることが充分期待できるからです。
(詳細については、ケプラーSETIプロジェクトの記事から"Why are these signals interesting?"のところを参照。)

まとめると、「秒刊SUNDAY」に書いてる

地球外惑星から『妨害電波』

とか

地球外惑星から『生命体反応』

という内容は、(少なくとも1月6日に更新された後の)ケプラーSETIプロジェクトには全く出てません。イミフ。


追記:「秒刊SUNDAY」がフカすのはそういうメディアなのでしょうが無いとは思いますが、こういう記事が積み重なるとSETI計画自体が何か怪しげなモノとして扱われそうなので、取り敢えず書いてみました。