埼玉の放射性降下物推移をグラフ化してみた。

埼玉の空間放射線量をグラフ化してみた - ka-ka_xyzの日記の続き。

埼玉県が公開している放射性降下物情報を元に、放射性降下物の推移をグラフ化してみる。
縦軸は放射性降下物の放射線量(Bq/m2)。横軸が日付。

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ヨウ素-131(青) + セシウム-137(赤)。3/22〜23にかけて、放射性降下物の線量が爆発的に増加している事がわかる。

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セシウム-137のみ。雨が降るたびに線量が微妙に増加するものの、3/22〜23と比較すると増加の幅は低い。

このグラフを見ると、3/15日(首都圏の空間放射線量が急激に上昇した日。詳しくはこちらのグラフで)には放射性降下物はそれほど降ってきておらず、一週間後の3/22〜23の雨で一気に落ちてきたと思われる。(この日に福島第一原発で大気中への大規模な放射性物質の放出事故が発生した可能性も有るが・・・米エネルギー省の出してるモニタリング結果を見ても、この期間に南西方面へ新たな汚染の広がりは見られないので、無視して良いと思う。)

あと、縦軸の単位はBq/m2。元々のデータではMBq/km2になっていたが、平方キロあたりの値を出されても直感的に把握しづらいので、平方メートル単位に変換している。
こうしてみると、3/22の平方メートルあたりで2万Bqとかでかい数字だなあ・・・と思ったが、よく考えると24時間の積算だしなあ。
まあ、ヨウ素-131は半減期が約8日と短いため、数値上のインパクトは大きいものの数カ月すれば無視できる値になる。問題はセシウムの方。放射性降下物がすべてその場に留まる訳ではなく、雨で流れて行くはずではあるが・・・例えば

  1. 土壌に染み込まず、下水網を通じて河川へ流れ込む(ついでに次の日から水道水の放射線量が増加)
  2. 土中に染み込まない状態で乾燥し、表面に残る(後でホコリなどに付着して飛んでいく可能性もある)
  3. 土中に染みこみ、塩を形成してその場に留まる(Cs-137の場合。長期的に見ると農作物の汚染状況に効いてくる)
  4. 土中に染み込んだが塩を形成せず、水蒸気として空気中に出てくる

というパターンが考えられるし、どのパターンがどれだけの割合なのか分からない。上で考慮しきれていないパターンもあるだろうし。

土壌中に留まる可能性については、

Togetter - 「土の中のセシウムが減らないわけ」 Togetter - 「土の中のセシウムが減らないわけ」

放射性セシウムに関する一般の方むけのQ&Aによる解説│事務局より│お知らせ│社団法人 日本土壌肥料学会 放射性セシウムに関する一般の方むけのQ&Aによる解説│事務局より│お知らせ│社団法人 日本土壌肥料学会

を参照。土壌汚染については土質の違いによってかなり差が出るっぽいし、そもそも放射性降下物が均等に分布していないため、場所によってかなり差が出る可能性はある。
そうは言っても、福島県内の高濃度汚染地域と比較すれば値としては小さく、問題にはならないと思うけど。