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原色の想像力

読書

創元SF短編賞の候補作(受賞作については、受賞後の初描きおろし作)だけの短篇集。最近創元SFがやたらと元気がいいなあ。こういう攻めの姿勢は好きだ。
まあ、値段分楽しめるかというと微妙ではあるけれど、そもそも短篇集のコンセプト的にそれはしょうがない訳で、むしろ10年後のベテランを見つける楽しみを取りたい。ゼロ年代はSF賞からデビューした人よりもむしろ他ジャンルから入ってきた人の勢いが目立ったが、次の10年でどんな作家が育っていくのか気になる。

以下、収録作についての雑感。

  • 高山羽根子「うどん キツネつきの」(第1回創元SF短編賞 佳作)

「すこしふしぎ」系。嫌いじゃないが・・・微妙。

  • 端江田仗「猫のチュトラリー」

介護ロボットににゃうリンガルソフトをインストールしたら、猫を人と認識してしまい・・・
書き方次第で5倍ぐらい面白くなりそうな気がする。発展性に期待。

  • 笛地静恵「人魚の海」

椎名誠のアフター・ザ・ホロコースト系作品をもっと耽美にしたような印象。なんというか、読んでる最中に得体のしれない異様な印象を感じたが巻末の選評で腑に落ちた。そういう事かよ。

コンピューターおばあちゃん的な・・・いや全然違うけど。タイトルで何割か損してる印象。

  • 坂永雄一「さえずりの宇宙」(第1回創元SF短編賞 大森望賞)

書き方次第でもっと面白くなりそうな作品だけど、どーかなー。

  • 松崎有理「ぼくの手のなかでしずかに」(第1回創元SF短編賞 受賞後第1作)

学部時代に居た大学が舞台なんで、情景が目の前に浮かんできてストーリーを追うどころでは無くなった罠。地獄坂なつかしす。