- 作者: 田中芳樹
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2009/06/25
- メディア: 文庫
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たまたま本屋で目に留まり、「そういや最後に銀英伝読んでからもう10年以上は経つなあ。最初に読んだのは14か15歳ぐらいだったか・・・」とか思ってなんとなく買った。
気づいたら次の日には外伝2,4と本編1巻まで買っていた(ポルナレフAA略)。
それにしても、のめりこんだのは中学生時代だったが、三十路過ぎてから読み直しても面白すぎる。この頃の田中芳樹氏は油が乗っているというより神懸っていると言った方がいいぐらいの絶頂期。SF的設定考証の甘さとかそんなのどうでも良くなる位魅力的な物語に痺れる。読み返す前は、「思春期の頃はまっていた物を読み返すときの、当時の青臭い自分を思い出す独特のこっ恥ずかしさを感じるんだろうな」と思っていたが、そんなこともなく、ぐいぐいと引き込まれていった。確か、「月間OUT」(姉が買ってました。R2さん編集してた頃?)の銀英伝特集で「20年後に読み返しても面白さは減じないだろう」みたいなことが書かれていたけど、全くそのとおりだった。
正直、田中芳樹氏は「創竜伝」以降は急速に失速していった感が有るし、一時期はすっかり忘れていたんだが、やはり「銀英伝」「アルスラーン戦記(第一部)」は別格。
あと、ノベルズ版から微妙に修正が入ってる箇所がいくつかあるようだ(本編1巻、P102のキルヒアイスと通信士官の会話とか。)
それにしても、今の50〜60代の司馬遼太郎直撃世代にトチ狂ったような"坂本竜馬気取り"が居てビジネスや政界を引っ掻き回しているように、後20〜30年ぐらいしたら思春期に銀英伝の直撃を受けた世代の"ヤン気取り""ラインハルト気取り"が出てきたりするんだろうか?
それだけの力を持つ作品だと思う。