NOVA 1---書き下ろし日本SFコレクション

NOVA 1---書き下ろし日本SFコレクション

正直、ビミョーな一冊。

個々の短編については全く文句は無い、というか素晴らしい。
いやほんと、ここ10年ぐらいで頭角を顕した(あるいは復帰した)今が旬の執筆者ぞろい(個人的には、伊藤計劃, 円城塔, 北野勇作, 小林泰三, 田中啓文, 飛浩隆, 牧野修, 山本弘 氏あたり)。
特に、飛氏の新作が読めたことには大満足です。

それにしても、国内SFに関しては、ホントにこの10年は黄金期だったなと実感できます。これは買いですよ。SFに興味があるなら創元推理で出てる「虚構機関」「超弦領域」共々買わないと損。

で、何がビミョーかと言うと・・・・

なんというか、収録作全体を通してみたとき、テクノロジーやサイエンス色が全体的に非常に薄く、ファンタシー・メタフィクション・哲学色が濃すぎないかと。
個々の作品は好きなんだが、こうやって「本格SF短編集」としてパッケージにされると違和感がある。

まあ一言でまとめると

「ハードSF成分が薄い!」

ってことです。